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三極管の話題が続きましたので、四極管アンプの写真を眺めることにしました。四極管は電源関連も含めて部品点数が多くなり、まさにアンプの内部は重箱の「おせち料理」状態になります。もう25年くらい前でしょうか、月刊59に書いた記事の写真です。(前にも掲載しました)572Bがダメになり、当時は品薄になって値段が高騰、1本2万円くらいしたかと思います。そこで手持ちの4X150A AB1級GGアンプに改造しました。すでに当時、この手の多極管は取り扱いがゼロバイアス三極管に比較してえらく大変なので、人気がなく安価に入手できたものです。なるべくもとの構成を生かすことを主眼にしたので、狭いところにゴチャゴチャと入れましたが、はみ出したブロワーとスクリーングリッドおよびコントロールグリッド電源のトランスは背面に突出しました。もとの写真が良くないので、きれいに見えず、スミマセン。
> 4X150A AB1級GGアンプFL-2100Bを改造したものです。プレート回路はタンクコイルに密着する結果になりました。そのため、連続送信するとこのキャビネット内はハンダが溶けるほど高温になります。入力同調回路はコイル可変の半固定です。アンプとしては工夫して大変うまく出来ていますが、まねしないほうが無難です。
> 4X150A AB1級GGアンプFL-2100Bを改造したものです。シャーシ内は狭くて、電源整流回路くらいしか入りません。入力と出力のリレーは別々にして、エキサイタが送信になったところでまずアンテナ側が切り換わり、これにより次にエキサイタ側が切り換わります。そうしておかないと、送信開始時にバリコンが放電したり、アンプの異常発振に見舞われることがあります。セミブレークインでの早いCWの頭切れが若干感じられますが、これはリレーの駆動速度よりむしろエキサイタのALC動作によるものではないか、という印象もあります。スクリーン電源にはブリーダー抵抗が入っていて、およそ20mAほど流れます。同調操作は、スクリーン電流の動きを見ながらおこなう必要があります。
> 4X150A AB1級入力を無誘導抵抗で受けたGKアンプです。MATさんの作品です。大きさをエキサイタのIC740に合わせました。外側はパンチングメタルでふたをしています。
> 4X150A AB1級入力を無誘導抵抗で受けたGKアンプです。MATさんの作品です。フロントパネルの裏側に何か調整するものがあります。タンク回路と4X150Aが2本見えます。外見は小さいアンプですが、中身はしっかり作ってある印象です。
> 4X150A AB1級入力を無誘導抵抗で受けたGKアンプです。MATさんの作品です。ブロワー(小型シロッコファン)は裏側にあり、全体の通風をよく考慮した構造です。小型のキャビネットにハイパワーアンプを組み込むときは、よほどうまく熱設計をしないとすぐ故障します。せっかくの送信管の寿命も短縮してしまいます。
ハムフェアで見た4CX350Ax2TMC (Technical Material Corporation)製、1.6Mc~HF用 米軍に収められた軍用無線機でしょうか。どなたかお買いになったでしょうか?電源部が付いていました。1985年〜ころではなかったかと思います。
>ハムフェアで見た4CX350Ax2TMC (Technical Material Corporation)製、1.6Mc~HF用 ローバンドを主眼にデザインされたのか、比較的ゆったりと製作されています。このときはよく見ませんでしたが、このアンプには前段があるようです。写真上のほうに写っています。中和コンデンサの円板も見えます。これとほとんど同様の作り方のパワーアンプが同じTMCから出ています。設計者はおそらく同じひと(チーム?)ではないでしょうか。同社にある、GPT-1Kという名称の1kW送信機のアンプユニットでは、入力100mWで3段ストレートアンプになっています。そちらのファイナルは、8295Aという五極管です。
>ハムフェアで見た4CX350Ax2TMC (Technical Material Corporation)製、1.6Mc~HF用 ごらんの通り、中は比較的ゆったりとしています。前段は6146であろうかと思います。シールドケースの上から、ステアタイトのプレートキャップが見えます。とすると、そこはやはりGPT-1Kと同じです。ファイナル段には、バンド切り換えスイッチとバリLがありますが、詳細な同調機構は写真ではわかりません。察するに、同調Cをスイッチで切り替える方式かもしれません。このとき(私にとっては)高い値段が付いていたので、購入はしませんでしたが、何万円くらいだったでしょうか?しかし、こういうアンプ1台見られただけでも、ハムフェアに行ってよかった、と思ったものでした。写真まで撮影させてもらいました。ついでながら、このころのハムフェアはバブルな時代だったので、どのブースにも、きれいなおねえさんコンパニオンがたくさんいて、こちらも楽しみではありました。(そちらも、たくさん写真がありますが。)
618T−2というコリンズの航空機搭載無線機のファイナルアンプのユニット。4CX350Fx2CW 200W、SSB 400W-PEP出力。もちろんオートチューンです。左手に見えるバンドスイッチで、プレート出力同調キャパシタと負荷のキャパシタを切り換えて、バリLで同調させます。プレート同調用のドアノブ型セラミック・コンが見えます。
> 618T−2のファイナルアンプ・ユニット。4CX350Fx2航空機搭載用のため、狭いスペースにぎっしり部品がつまっています。基板にあるのはツェナーダイオード、スクリーングリッドの電源を作り出す部分でしょうか。奥に同調用サーボモーターが見えます。3相400Hz電源のため、ブロワーは2万回転くらいあります。そのためこの小さなユニット内部も強力に空冷可能となり、タンク回路も送信管もすべて冷却しています。パワーアンプを小さく作るためには充分な空冷は絶対必要なことです。
> 618T−2のファイナルアンプ・ユニット。4CX350Fx2ユニットの脱着はワンタッチで可能です。位相検出回路や出力検出回路、周波数コントロールなどの用途のための多芯コネクタ、および同軸型コネクタはRF入力、RF出力、それともうひとつはプレート高圧でしょうか、NFB出力もあったような記憶ですが、回路図をどこかにしまいなくしました。各コネクタをはめ込んだら、赤いボッチのねじをしめて固定します。各同調機構はギアで駆動されます。
> 四極管アンプなつかしい顔です。その昔、アマチュア無線局には大抵こういう顔の無線機が並んでいました。しかし、このアンプ、相当いい部品を使用しています。よく見てください。メインダイアルひとつにしてもかなり高価な部品です。四極管にはガラス球もあります。それを使ったアンプです。
> 四極管にはガラス球もあります。米国で1950-60年代に盛んに使用された(らしい)、4−400Aや4−1000Aという送信管がそれです。五極ビーム管の813と並んで、ジャンク市場に大量にかつ安価に出回ったようで、多くの米国のアマチュアが利用しました。しかし日本のジャンク市場にはあまり出回らなかったのと、あっても比較的高価だったことで普及しませんでした。ラッキーなアマチュアのひとりが、この球でアンプを製作した例がこれです。OMは大変アクティブだったとお聞きしました。当時はほとんどのアマチュアにとっては垂涎の的であった、ジェニングスのバキュームバリコンまで使用しているこのパワーアンプ、実にたくさんの話題を提供してくれます・・・これらの四極管がアマチュアに普及した理由のひとつとして、当初は、たいてい「ベタコンGG」として、ゼロバイアスで使用されていたようです。四極管の煩雑な電源回路を省略して、簡単にkWアンプを実現するこの方法は、アマチュアにとっては大変魅力ある方法です。しかし発生する歪みがひどいのと、グリッドに過剰な電流が流れてしまうことが大きな問題になりました。4-400A、4-250A、4-125Aなどラジアル・ビーム四極管と呼ばれるハイ・ミュー四極管では、スクリーンよりもグリッドに電流がたくさん流れるため、すぐにグリッドが焼損します。4-1000Aのグリッドは大変丈夫なので、四極管でベタコンにしても大丈夫なのはこの球だけです。グリッド電流が流れて歪むため、当時はリニアアンプを投入すると、「すごい迫力」の信号に生まれ変わりました。信号が強くなるだけでなく、歪んでいたためでもあるようです。SSBを聞いていると、ベタコンGGアンプを使用している局は音声がジャリついてサイドバンドにバリバリとスプラッタが多く出てるため、すぐに判別できたものです。(注、このアンプの製作者の名誉のためにひとこと書くならば、このアンプがそういう歪み発生器であったのかどうかは、写真を見せていただいただけであるため、私にはわかりません。)そのため60年代後半には、米国QSTや日本のCQハムラジオ誌でベタコンGGを批判する記事が相次ぎました。すでに日本ではそういう形式の「リニア」アンプも市販の製品がでていたため、大きな話題になりました。(業界もアマチュアも、騒然となった。)業界の意向優先の体質からか、良識ある筆者たちに対する圧力や連載中止が起こりました。事実上、「干された」筆者たちは誌上から姿を消してしまいましたが、その後、業界の良識ある技術者たちは、ABクラス動作のリニアリティが良いリニアアンプや、増幅型ALCを装備したトランシーバなどを次々と発表することになりました。ベタコンGGの欠点に対する対策として、グリッドバイアスとスクリーン電圧を規定値かけることでAB級動作をさせてやる方法がとられ、無線雑誌の誌上でも盛んに推奨されました。この方法の大きな利点は、上記のグリッド焼損の防止、歪みの改善のほか、本来の高い利得に準じた利得が得られることです。当時すでに主流になっていた100W送信機(トランシーバ)で、歪まないで簡単に1kW出力が得られる、とQSTでは絶賛されています。さて、この写真の自作アンプで、パラ止め抵抗が焦げているのは、どうしてでしょうか。パラ止め抵抗に最低限必要なワッテージは、基本波周波数でコイルに発生する高周波電圧に耐えるものであればよい、となります。不必要に大きなコイルを使用すれば、当然、それに耐えるべきワッテージが大きくなります。しかしひとたびパラシティック・オシレーション(寄生振動と訳す)が発生すれば、そのエネルギーは膨大なため、相当な高電圧が発生して簡単に抵抗は焼損します。パラ止めには、コイルと抵抗なら何でもいい、というわけではありません。たとえば、赤い金属皮膜抵抗は、見かけは昔のP型高周波用抵抗に似ていますが、別ものです。P型でない普通のカーボン抵抗と同じく、抵抗体にミゾが切ってあるため、コイルとしてのリアクタンス分を持ちます。どれくらいの大きさのコイルを作るか、それに必要な抵抗のワッテージはどれくらいか、これらは製作するアンプが寄生発振を起こしやすい周波数がどの周波数領域にあるかを把握して考えるものです。たいていはHF帯アンプであれば、VHFで発振することが多いので、VHFで回路のQが充分低下する大きさのパラ止め(Qダンパー)を製作します。アマチュア的には、コールドステートのアンプにディップメーターを当てて、発振を起こしそうな寄生共振周波数を探るか、高級な測定装置が利用できるのであれば、トラッキングジェネレータで不要な周波数領域での異常な増幅を検出してやります。しかし上手に製作されたパワーアンプでは、やたらなところにパラ止めなど入れなくても良いことは、アマチュアの間ではほとんど理解されていないようです。たとえば、この表紙の208U−10の写真や、上のTMCのアンプを再度よくごらんください。プレート部分にはパラ止めは入っていませんね!別な部分で、寄生発振しにくいように不要な周波数領域での増幅回路のゲインを抑制しているのです。
> ラジアル・ビーム四極管と呼ばれるハイ・ミュー四極管真空管の中心から見て、放射状にグリッドおよびスクリーンの格子のメッシュが目をそろえて並んでいる構造のビーム管を、ラジアル・ビーム管といいます。この名称と構造は、ひと目見れば理解できるかと思います。写真は、一番大きいものが4CX10,000D 次が4CX1000Aのステム部分と取り外したスクリーン、小さいのは 4CX150Aです。(研究目的で川崎のOMが、かち割ったもの)
No.854 記述を少し訂正しましょう。> >ハムフェアで見た4CX350Ax2TMC (Technical Material Corporation)製、1.6Mc~HF用 ローバンドを主眼にデザインされたのかちゃんとハイバンド用のコイルも入っているので、一応HFオールバンド用途だと考えられます。同調ツマミがないので、もしやオートチューンでしょうか。>中和コンデンサの円板も見えます。ファイナル球の右手に見える、対向する円板2枚はおそらく、プレートRF電圧のピックアップ用でしょう。その右、裏パネル側に整流回路らしいものがあります。HFではこの球は中和を取らなくても動作しますが、グリッド回路がどうなっているかが問題です。JRCのアンプのように広帯域で受ける構成であれば不要かと思いますが、NFBをかけてたり、きちんとグリッドにも同調回路を入れているとすれば、中和を省くことは考えにくいと思われます。(ドライバーは6146でしょうから、広帯域回路で受けてもドライブ電圧は十分足りるでしょう・・)
> ラジアル・ビーム四極管代表的なガラス管、4-1000A の自作アンプ、製作中。作者不詳です。1980年代。立派なカウンターダイアルなど、良い部品をふんだんに使っているのがわかります。見慣れないデザインで一風変わった印象をもたらすフロントパネルですが、なにかの装置を流用したのでしょうか。業務用送信機のように、送信管が見える窓が開いています。
> ラジアル・ビーム四極管代表的なガラス管、4-1000A の自作アンプ強制空冷用の純正ソケット、放熱フィンが付いたプレートキャップ、Jennings社の真空バリコン、シャーシ下にGates社の大型バリLのほか、たぶんGKアンプなのでしょう、中和用キャパシタらしいアルミの円筒も見えます。
> ラジアル・ビーム四極管4-1000A の自作アンプ、MATさんによる製作。AB1クラスGGアンプではなかったかと記憶します。このころ流行した黒を基調にして、パネル面をきれいにデザインしました。’80年代後半。純正ソケットとチムニーを使用して、大型ブロワーで強力に空冷しています。キャビネットの下部にある高圧トランスは、お釜から出して別の鉄板で製作した箱に収容された柱上トランスです。リビングルームの片隅においてあるこのパワーアンプが動作を始めると、不気味なトランスの唸りとブロワーの騒音のために、家族が皆、部屋から姿を消したのだそうです。家族と過ごす時間もアンプを運転するのも、MATさんにとってはどちらも大切な時間だったはずですが、そのうちアンプに電源が入る時間はなくなりました。今は亡き W7PHO ビルさんに、私とMATさんは同じくらいファン・ノイズがうるさい、と言われたのを思い出しました。
> ラジアル・ビーム四極管4-1000A の自作アンプ、MATさんによる製作。純正チムニーや大きなプレートタンクコイル、少し小さめの真空バリコン、アンテナ切り換え用真空リレーなどが見えます。4-1000Aという送信管はAM時代のものなので、当然Cクラス動作で使用することがありました。業務用アンプでは電信用にCクラス動作、AMやSSBの増幅にはAB2クラスのリニアアンプ、という設定切り換えが可能な装置がありました。この送信管を3本並列運転した、コリンズの無線装置 FRT-51 という装置はその代表でしょう。しかしCクラス動作時は高調波が多く、マルチバンドアンテナを使うと、上の周波数でDXが呼んでくるという事件は実際におこっています。したがって、Cクラス動作の装置では、バンドパスフィルタやローパスフィルタの装備は必需でした。時代は FRT-51 と同じではないかもしれませんが、コリンズ635W-1 という出力10kW対応の可変周波数フィルタは、このための装置です。Cクラス増幅では、AMやSSBは歪んで音声にならず、うまく増幅できません。しかしプレート効率は高く、80~90%近く確保されるため、4-1000Aがあれば、1本あたり5kW近い入力であってもプレート損失は規格内におさまることになります。そのイメージが強かったせいか、4-1000Aというのはハイパワー送信管だ、という印象は強烈でした。このアンプでは周波数は7~21MHz用、たぶんカソード・ドライブ方式のAB1~2クラスなので、効率は60%ないし良くて65%でしょう。しかしGGアンプであれば、カソードに入力されるドライブ電圧はアンプのプレート電圧に加算されるため、ドライブ電力が大きくなる分、普通のGKアンプでグリッドをドライブするよりも、プレート出力の効率は上がります。
test
> testその2
> testその3
> test写真が貼り付かないので管理人さんと検討してみたところ、ファイル名に「. (ドット)」がふたつあるとダメなようです。FL2100B 4X150Ax2.bottom.jpg ↓ FL2100B 4X150Ax2bottom.jpgと修正してOKでした。写真のサイズは、<100KBまでは、これまでと同じです。テストの写真は、先日クラシック・コンポーネンツで入手したUHF用真空管です。
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