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那須次郎とアンプを語ろう

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Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 22:58 No.185  
さるお方からいただいた2信号発振器(の基板)を利用して、IMD測定をしてみました。
まず発振器自体の、オーディオ帯域でのスペアナ特性を示します。まあ、こんなところで充分でしょう。(なおREFレベルは、オーディオ出力の絶対値ではありません。)



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 23:03 No.186  

 このあと自作のマイクアンプ(平衡入力)に入れて、その出力を見ました。通常、実際に使用するのにゲインはいくらも有りません。(10dB前後、グラフでは9dB)

IMDの発生は認められませんでした。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 23:16 No.187  

装置はこれです。(今回、写真を撮りませんでしたので、ほかの写真に写っていた部分を流用します。)

上が2信号発振器、空きの穴は各信号のon−offスイッチが付くはずでした。小さいボリウムは2信号バランス、ポテンショメータはレベル調整。

下がマイクアンプ、2トランジスタの簡単なものです。が、カップリングコンデンサは、秋葉原の海神無線で購入した1個500円もするものを使用しています。安価なケミコンやフィルムマイラでは、いい音がでませんでした。
(それまでこういう話は信じなかったのですが、実際えらい違いに驚いた、というわけです。)

マイクアンプそのものは、もとは秋月で300円で購入したものでしたが、ローノイズの優れもの。歪みも(低レベルでは)大変少ないものです。平衡トランスも秋月の300円。

マイクはSHURE、お値段は無線機と同等くらいです。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 23:21 No.188  

口笛のシングルトーン入力時のマイクアンプ出力。

3倍くらいの高調波は、レベルコントロールを変化させても不変なので、私の口笛の特性と思われます。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 23:31 No.189  

 手近なところで、IC765PROⅡのAF入力端子(ACC)に2信号をインプット。このリグは比較的新しい製品ですが、お空で使用しているOMさんの信号を聞くと、かなり周辺にスプラッタしていますので、そう良好なIMD特性じゃないと思いました。
(地声のモニタ音も、インバンドでジャラジャラとじゃりつく印象があります。サイドバンドもやや広い範囲でパリパリと聞こえます。)

定格出力100Wの−6dB、つまり25W出力(2信号での平均値、つまり合計の値)で測定しました。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 23:37 No.190  

定格出力100Wの−6dB、つまり25W出力(2信号での平均値、つまり合計の値)で測定したIMD特性です。

まあ昔のリグに比較したら、はるかに良好、といえそうですが、あまり自慢できる特性とは言えません・・・。
3次IMDはご愛嬌として、5次、7次、・・あまり減少しませんでした。
この実験は、AF入力レベルおよびトランシーバ本体のPO出力レベルを調整して、そこそこの妥協点としたときのものです。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 23:40 No.191  

では思い切って、10W出力まで下げたらどうなるでしょうか? その昔の真空管送信機では、出力レベルを-10dBにしたら、それこそIMDも-10dBくらいかそれ以上に改善したものです。

残念ながら、ほとんど同じでした。(と、半導体だからしょうがないけど、予測どおり。)
よく見ると、ほんの少々、トゲの出かたが丸みをおびていますか・・・



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/08(Wed) 23:58 No.192  

折角ですから、定格出力100Wの場合も見ることにします。
2信号での平均出力です。(ピークひとつは50W相当、ということです。)

あやや・・、3次IMDは−23dBに劣化しました。
5次の−40dBはご愛嬌としても、少なからず特に高次IMDの劣化が目立ちます。これはモニタしたスプラッタの印象を裏付ける結果でした。

しかし5次と7次が(これ以上は)そう劣化しないのはご立派、というほかないでしょう。・・・ということは、このIMDの根本的な原因は、ファイナルやドライバじゃないほかのところにあるのでしょうか?


さて、ICOMの名誉のためにひとこと言うなら、そんなに悪いリグじゃないですよ、これ。
バンドのなかでは、「一番いい音するひと」が大抵使用しているのはこのリグなのではないでしょうか。
(ちょっと誉めすぎかも・・しれないですが。)

SSB、CWとも、コンテストでもDXでも、使用感は大変良好、受信についても(SSBがすっきりしない音であることを除けば)、特に不満はない、合格点です。

ただ、IMD特性がねえ・・もうちょっとで自慢したくなりますが、
だめでした。・・・裾が広すぎです。

注) 2信号試験というのは、リグにとっては大変ヘビーデューティな試験です。そこらにある普通の送信機は例外なく悲鳴をあげます。しかし出てきたデータを見てがっかりであっても、お空で聞く実際のSSBの印象は、大抵もっといい印象なのが普通です。

(まあ悪いものは悪いのですが、)いまここで言っているのは−40dB、−50dBの世界の話ですから、耳を澄ましてきこえるかどうか、というレベルの話です。(・・ですが、私はそのレベルの議論をしたい、ということです。)
ハイパワーで遊びたいのであれば、こういうところに気を使うのは当然でしょう。

 逆に言えば、フルパワーで2信号試験に耐える良好な特性を示すのであれば、この点は完璧だということになります。

どなたか、続きのデータ提示、ディスカッションをお願いします。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/16(Thu) 21:37 No.193  

どなたの発言もないので、自分で書きます・・・

 IC756PROⅡのIMD特性のトゲトゲを見てちょっと悲しい気持ちになりました。(アマチュアレベルでは充分標準的な特性だとしても)もっときれいな電波を出せるリグがないものか?

 会社の吸収合併とデジタル時代により、その後のすっかり様変わりしたロックウェル・コリンズ社の'80年台の製品に、有名なHF-80シリーズがあります。私が初めてその音を聞いたのは、コリンズほか多数のコレクションを所有される越前太郎さん宅に遊びに行ったときのこと。
HF-2050レシーバなどと並んで、19インチ・ラックに収納されたHF-8014AエキサイタとHF-8054Aレシーバがありました。そのブラック・フェイスの同機のSSB送信音をモニタさせていただいて、その歪みのないクリアですっきりした、なんともいえない良質のSSB音に不思議な感覚をおぼえた私は、思わず、
   「これってオーディオのモニタですか?」

と質問したものでした。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/16(Thu) 21:43 No.194  

HF-8070A

 この通称「はちまるシリーズ」のひとつ、写真のHF-8070Aの2信号特性を調べることができました。
 このリグはエキサイタ・レシーバ、つまり送受信機です。定格送信出力200mW、1.6〜30MHz。MIC端子のほか、AF平衡入力があります。LSB、USB、ISB、AM、CWの送受信ができます。ほかの「はちまるシリーズ」同様、とても良質の音がでてきます。

オンエアでもこれを使用してでているOMさんがいるので、ご存知のかたもいることでしょう。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/16(Thu) 21:48 No.195  

HF-8070Aの内部

 HF-80シリーズ初期の9枚シンセ(といえば、わかるひとには判る)バージョンです。ルーフィング・フィルタのあと、ハイIFの9.45MHzを経て、ローIFは450KHzと珍しい周波数構成。450KHzにはロックウェル・コリンズ社の青いラベルのメカニカルフィルタ帯域幅2.75KHzが装着されています。

ほぼ中央にあるシールドされた基板がRFフロントエンド兼終段ユニット、その右手がわにIF部分とMOD・DEMOD回路およびAF回路の基板が並んでいます。

 送受信共通で使用する位相特性の優れたこのIFフィルタ、ただものじゃない、と感じます。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/16(Thu) 21:58 No.196  

IMD特性

 HF-8070Aレシーバ・エキサイタの平均出力100mW(50mW×2)のIMD特性です。2信号発振器はこれまでと同じものです。

 LSB側に逆サイドバンドの漏れ?でしょうか(詳細不明)、変なヒゲが出ていて、なにか調整すれば改善するのかもしれません。しかしそのほかにはなにも出てこない、ただC/N比-55dB以下のフェーズノイズがあるのみ。これがこのシリーズのさわやかなSSBの真相です。

 フェーズノイズがそこそこ出るのは、もう20年以上前の装置ですからご愛嬌でしょう。しかし、ともすれば隣のバンドまでフェーズノイズが攻めてくる!という’80年代のアマチュア機と比較すれば、その差は歴然としています。見比べてみて、IC756PROⅡのフェーズノイズのC/N比がこれと同等といえるほど(いちおう・・)良好なのは、やはり時代の差でしょうか。

しかし、IMDは、明らかにHF-8070Aの勝ちです。

 もっとも出力レベルが1000x 違いますが、だからといってICOMの段間からローレベルのRFを取り出しても、こうはいい特性にはならないはずです。
普通、トランシーバは終段やローパスフィルタを含めて動作させたときにマトモな動作をするように設計されているので、途中の段から信号を取り出すと、よけいなスプリアスや局発漏れがでてきます。
NFBループの問題もありますから、へたに手を出すのは考えものです。

当然、このあとに装置すべきリニアアンプは、この特性に見合った良質のものであるべきでしょう。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/16(Thu) 22:18 No.197  

208U-10 IMD特性

 HF-8070Aの特性を見たとき、ついでにドッコイショと古いコリンズ社のパワー・アンプリファイア208U-10の動作も確認してきました。このHPの表紙にあるものです。
A級に近い動作で、IMD<<-50dB@1KW出力を目指して実験中でした。

ゲインを稼ぐためファイナルのNFBはoffにしてありました。ファイナル球の周囲をおおうお釜が、NFB用RF電圧を取り出すピックアップです。なぜこんな形になっているのか? そこがコリンズの秘密です。
通常は、およそ8dBのNFBがかかっています。

 ファイナルはEimacではなく、Svetlana社の4CX10,000Dでした。最大定格より小さいドライブ10mW程度で2.5KW程度出てきます。しかし…あれあれ、期待ほど良いIMD特性ではありませんでした。
ドライブ段やファイナル段のチューニング設定が最適でないかもしれませんし、ロシア球のせいかもしれませんが、詳細不明です。

 もっとキレイに見えるときはまた写真をいただきましょう・・・といっても、そこらのアマチュア用のアンプに比べたら段違いの特性、といえるかもしれませんが。これより半分のパワーレベルでは、現状でもIMD<-50dBは可能だそうです。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/06/16(Thu) 23:05 No.198  

HF-8014A

 おなじシリーズの、HF-8014Aエキサイタには後期に3枚シンセ(つまりシンセサイザの基板が3枚から成る)のバージョンがあり、これまた素晴らしいIMD特性です。
私の記憶では、前述の9枚シンセ・HF-8070Aよりも、シンセサイザ・ノイズの山は更に小さいものであったと思います。

すなわち、どんなに信号が強力でも超ローカル局でも、数KHz離れるともう何も聞こえないということになります。
(どなたか、特性をお示しいただけないでしょうか?)

 外見はほとんどHF-8070Aと同じような、19インチのブラックパネルで、よく似た印象です。ただ、この3枚シンセ・バージョンは、なぜか故障が多い、とききます。回路図が入手難であり、おいそれと修理ができないため、台数がたくさん出回っている9枚バージョンに比べて人気がありません。

これら「はちまるシリーズ」唯一の欠点は、周波数はサムホイルで合わせるだけのため、半日もいじっていると指先がとても痛くなります。同調ノブがある同年代のロックウェル・コリンズの受信機851S-1が珍重されるのは、このためでもあります。

HF-80シリーズの概略は、こちら。

http://www.columbiaelectronics.com/rockwell_collins_hf_80_radio_system_data.htm  



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 18:59 No.237  

IC-756PROⅡのIMDについて、、毎年ハムフェアに「素敵なおじさま」がいらっしゃって、毎年「素敵なデータ」を見せてくださるのですが、今年はその1mWレベル(ミクサー出力あたり)から出てきた2信号特性を拝見。

それによると、2信号のほかは-50dBレベルくらいまで何も出てこないような、とても良いIMD特性だったような記憶があるのですが、もう一度見てみたい気持ちでいっぱいです。

素敵なおじさま、このHPをご覧になっていただけましたでしょうか? ぜひコメントお願いします。

ただしフェーズノイズについては、どうであったか、よく見るのを忘れてしまったのでした。
(終段出力とたぶん変わらない? ・・・もしや改善される?)

改善するとしたら、どうしてでしょうか。興味深いことです・・・



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 19:39 No.238  

ずいぶん以前、たぶん20年くらい前? このFL2100の球を572Bx2本のB級GGから、4X150Ax2本AB1級GGアンプに改造したもののIMD特性を調べたいと思い、パワー2信号発生器を作ろうと考えました。

通常の動作状態は、14MHz、50オーム純抵抗負荷において、
ドライブ電力30W、プレートアイドル電流200mAに設定して、励振時のプレート電圧1800V・電流485mA、スクリーン電圧350V・電流+18mA、出力520W・効率60%、プレート損失353W(いずれも2管の値)・・でした。
それ以上のドライブレベルでは歪みが多くなり、SSBには不向きであると思われました。

さてGGアンプをドライブできる「パワー2信号発生器」を製作して、その出力でFL2100/4X150Ax2をドライブ、プレート電流を400mA流したときのIMDを測定しました。

結果は、2信号のうちの1信号に比較して、
3rd=-29dB 5th=-33dB 7th=49dB となりました。

ただしドライバ(エキサイタ)およびアンプのLOAD位置によって、各数値にはバラツキがありました。

ちなみに使用したエキサイタは、ドレークT4XC、スペアナ代わりには、負荷からピックアップした小信号にステップアッテネーターをかませて、R4C受信機のCW125Hzフィルタ使用でSメータ指示が一定となるようアッテネータで測定したのでした。

まずまずの値ではないでしょうか。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 20:03 No.239  

なんのことはない、そのハイパワー2信号発生器とは、2台の送信機出力を相互に影響しにくいよう、アイソレーションが取れるWILKINSON回路で合成した、というわけです。

2台の送信機からの出力は100Ωの無誘導抵抗でシャントされたのち、それぞれ電気的4分の1波長の75Ωラインを経て合成されます。入力側の各ポート間アイソレーションは基本波で40dB程度は簡単に取れます。

無誘導抵抗は、50Ω50Wを2本直列にしたもの、中点にもM型コネクタが付いていますが、この目的には使用しません。

各ポートのRF電圧をゲルマ・ダイオードで整流して、高レベルおよび低レベルの2設定で2信号のレベルを簡便的に比較できるよう、それぞれVRで校正したDC電圧を、ロータリーSWで切り替えてDC10Vフルスケールのメーターを振らせています。より正確に測定するには、0.1dB単位で読める測定器が必要でしょう。

フェーズラインには7C2Vを使用し、T型コネクタで合成しています。出力は、2信号の位相と周波数が異なる(のが通常ですが)ゆえ、それぞれ-3dbとなります。その差分は抵抗に吸収されるので、大きなワッテージが必要となります。

ケースは市販のアルミ製ですが、シールドは重要であり、接触部分の塗装は削り落として、ネジを増設しています。

実際には、信号発生器としたT4XCに高調波が多いことや、測定装置のR4C本体のシールドがあまりよくないことなど、精密な測定には問題があります。最近の無線機ならば高調波はもっと少なくなりましたし、およそ50dBくらいはシールドが施されていますから、もっといい測定器ができるかもしれません。
出力同調回路もないので、出力信号は一定のもので再現性がいいかと思われます。

ということで、以上、私が20年くらい前に製作した、アマチュアにもできる「ハイパワー2信号発生器」でした。 ・・・なかなか、いいでしょ?!



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 20:27 No.240  

そんなものが役に立つのか、と疑問もでてくるかと思いますが、まあこんな感じです。
一番上にあるのが、例のWILKINSON合成装置の本体。

たまたまIC-736という100W出力の160m−6mのトランシーバが2台ありましたので、合成してみました。

フェーズラインは14MHz用の7C2V電気的4分の1波長x2本をT型コネクタで結合しています。それぞれのトランシーバ出力を接続する同軸ケーブルは(通常は)任意長ですが、まあそろえておくほうが気持ちがいいでしょう。

合成出力ケーブルも(通常は)任意長ですが、負荷にVSWRが立つ場合は影響を受けます。まあ、あんまり厳密にウルサイことをいうのは止めておきましょう。

ついでながら、
下にある黒い箱は Rockwell-Collins HF-8070A レシーバ・エキサイタ(前出)、その下のグレーの箱は Sunair R-9200 受信機ですが、こちらにも Rockwell-Collins製 mechanical filterが入っていて、たいそういい音が出てきます。お空と自局の電波のモニタに使用しています。10Hz−1MHzステップで切り替え可能な同調ツマミが付いているのも魅力です。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 20:40 No.241  

とりあえず各キャリア出力を25W+25Wとしてみます。
(CWキーをショートするプラグがなかったので、AMモードで最大出力の無変調キャリア各50Wを出して、-3dB合成しました。)
モニタのRF電圧計を見ながら、おおよそ同レベルに合わせておきます。

注意!) 各トランシーバはまずCWモードでキーOFFの状態で「送信」にするか(つまり出力ゼロ)、それぞれ送信に切り換えた状態にしてから出力ケーブルを接続しましょう。
そうしないと、受信部分が破壊されますので。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 21:00 No.242  

出力25W、各single tone の信号はこんな感じです。

やはり、フェーズノイズは無視できないレベルで、およそ20KHz幅で-80dBくらいになります。
この傾向は、出力を50W以上にしてもあまり変化なしです。

厳密な測定には-80から-100dBは欲しいのですが、そこらのアマチュア機の送信出力では無理ですね。

ところでこの波形、どこかで見たことありませんか?
そう、Rockwell-Collins のマークですよ!



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 23:04 No.243  

WILKINSON回路で合成したローパワー出力を観測します。

ただのキャリアの合成なのに、3rd IMDが発生しています。
それぞれの2次高調波はそんなに高いレベルではないかと思われますが、システムの中に、どこか歪みが発生する部分があるのでしょうね・・??



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 23:09 No.244  

もうちょっとパワーを入れて(各50Wを)WILKINSON回路で合成した(25W+25W)出力です。-3dB合成器ですから、各出力は半分だけ出てきます。

少なくなったけれど、やはり 3rd IMDが発生しています。原因は不明。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 23:22 No.245  

とりあえず、せっかくですからこの2信号出力で、自作の3CX3000A7パワーアンプを励振してみましょう。

アンプ全体の写真はないのですが、入力部分のQ=5というゴッツイ入力同調回路を示します。
TL−922の出力回路なんかより、ゴッツイ感じですが、50ΩでQ=5、ドライブ500Wも入れるように作るとこうなります。LもCも発熱するので、大変です。バンドスイッチは、ついに出力のものと同じものを使用してしまいました。

Henry 4K-ULTRA のようにステップアップ回路など入れるともうすこしスマートになるのかもしれませんが、パワーが大きいと大変です。
4K-Uでは、ジェネラルカバレッジのためのバリLの巻き数を増やすために、50Ω入力を200Ωにステップアップしてから、パイ型入力同調回路に入れています。そのほうがRFの取り扱いがし易いからでしょう。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 23:27 No.246  

パワー測定には Bird 43パワー計を使用しています。検出器は取り外してあり、本日の実験では、あさってのほうに置いてある別の2連スラグの製品を使用しています。
43本体の内部にPEPキットを装着したので、平均値とPEPの切換えのためのスイッチをスラグの穴に装着して、(平均-OFF-PEP)の3通りを切り換えています。メーター感度は普通の43と同じで、使用スラグは 1000H です。

この測定には、もちろん平均値指示を使用していますから、2信号の1つがそれぞれ250Wであれば、合成された2信号は平均値で500Wを示します。

さて、この3CX3000A7アンプはカソードバイアスとして+12Vのツェナーダイオードが入っています。そのためアイドル電流は120mAくらいと少なめです。
プレート電圧4200V、さらっとシングルトーンで皆さんがやるように同調を取って、出力が最大になるように設定しました。

43の針は、480Wを示しています。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 23:32 No.247  

3CX3000A7 出力480WのときのIMDを見てみました。

ドライブレベルが小さいため、まだグリッド電流はほとんど流れていませんが、ハッと驚く、ひどい波形でした。
この、優れたIMD特性が「売り」であるはずの球ですが、3rd IMD -22dBでは、がっかりです。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/30(Tue) 23:37 No.248  

そこで、もっとも3rd IMD が小さくなる最適負荷となるようにロードVCを調整してみます。

目安は出力が5〜10%低下するくらい、ロードVCの容量を減らすほうに抜いていきます。出力450W、プレートVCも少し再調整しています。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/31(Wed) 00:03 No.249  

出力450W時のIMD特性を示します。
3rd IMD -39dB と劇的に改善されています。

このときグリッドやプレートの電流変化は、この(メディアムμに近い)ハイμゼロバイアス三極管ではそう大きくありません。

8877 3CX800A7 などハイμ三極管ではグリッド電流が大きく変化するので、もっと判り易いはずです。(歪みが増えるのは電流がドドッと増加して、出力メーターがボーンと振れだす位置からです。逆に歪みが少なくなるのは、パワーがそう低下せず、グリッド電流が減る位置です。)
すなわち、皆さん、たいてい歪みが多くなるところに同調させています。その位置から、パワーが5〜10%低下する負荷位置にロードVC容量を少なくなるよう設定することをお勧めしましょう。このとき、プレート電流は逆に増大して、見かけ上、プレート効率は若干低下します(が、最適位置とはそういうものです)。

更にこのアンプでは、バリコンを回すときの感触も、出力同調回路がパイL型であるため、パイ型のようには敏感ではないので、メーターの触れ方だけ見ていてもこの変化はよく判らないでしょう。

パイL型出力回路を持つパワーアンプでは、四極管でもそういう傾向になるため、間違いなく最適出力かつ低歪みとなるよう調整するために、Collins 30S-1や208Uシリーズ、近年のアマチュア用パワーアンプではETO 91-Bなどが、同調指示器または自動同調機構として「最適点=ゼロ、あるいは中点」を示すコンパレータを備えています。
この最適動作点は、あらかじめ製作・出荷の段階で調整されているのが普通であり、ユーザーはその位置になるようバリコンなりバリLのツマミを回す、あるいは自動同調がそこで停止するだけで最適位置への調整が可能となります。
(ただし真空管は生き物です。へたってくると動作点は大幅に変化します。)

なおこの3CX3000A7アンプでは、この出力レベルでは低歪みの最適動作にはならないことを付け加えておきます。もし小出力で良好な歪み特性を得たいのであれば、もうすこしアイドル電流を流すよう、+12Vツェナーを取り除く(つまりゼロバイアスにする)か、もっと低いバイアス電圧に設定する必要があります。三極管の特性として、低い入力信号電圧のレベルではプレート電流特性が「寝ている」ためです。

しかし、すぐ隣に置いてあるCreative Electronics社のCE-2500 という 3CX3000A7アンプではゼロバイアス使用ですが、全然こういう良い値はでませんでした。理由は、入力同調回路の違いではないか、と思います。(ただのC入力のT型インピーダンスマッチです。)これは簡便的にマッチングが取れるものの、低Q回路です。

Eimac Technical Data によれば、3CX3000A7 GGアンプでは、3rd IMDが -43dBも取れる、と書いてあります。もしそういうシステムを構成できたとしたら、すばらしいものです。

もちろん良好なエキサイタが必要になるという問題もありますし、この送信管GGアンプの入力同調回路のQは、推奨値の5以上に設定するように、と書いてありますから、それだけでも大変です・・・。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/31(Wed) 00:10 No.250  

もう少しドライブを増加させてみました。出力最大となる位置に同調を取ります。

43パワー計は、出力580Wを示します。

送信機の同軸出力からスペクトラム・アナライザへの結合は、43の手前に挿入した同軸ピックアップを使用しています。800MHz帯付近の送信装置で使用されていた同軸管用の方向性結合器を利用して製作、各ポートにはN型コネクタを使用しました。
-40dB at 14MHzとなるように調整したもので、6dB/oct.の減衰特性をもち、当然ですが結合回路は50Ω終端です。

この周波数帯では方向性は示しませんが、結合器としては減衰特性およびリターンロスとも周波数特性は優れているので、周波数特性の良い擬似負荷とともに使用すれば、精密な高調波測定にも利用可能です。

スペアナは Anritsu MS2601B 9KHz-2.2GHz 50Ω入力、ごく最近メーカー調整済みのものです。入力には適当なアンテネータ.パッドを挿入しています。



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/31(Wed) 00:15 No.251  

同様に、3CX3000A7 出力580WのときのIMDを見てみました。

まだグリッド電流はほとんど流れていませんが、480Wの時と同じようなハッと驚く、ひどい波形でした。
3rd IMD -26dBというのも、やはりがっかりです。

(まあ、アマチュアでは普通の、よくある値ですが。)



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/08/31(Wed) 00:34 No.252  

先ほど同様、もっとも3rd IMD が小さくなる最適負荷となるようにロードVCを調整してみます。

ここでもロードVCの容量を増減して見ましたが、あまり出力が変わらないところで最良点が見つかりました。
出力は同じく580W、プレートVCも少し再調整しています。

3rd IMD -38dB でした。5th以上も、-40dB以下にとどまります。
しかし高次IMDがそれ以下にならないのは、三極管の宿命でしょうか・・どうしても四極管アンプのようにはスッキリ消えてくれません。(この点で三極管は半導体アンプに似ています。)

出力が変わらないでも最良点に至ったのは、このアンプにとっては、このくらいのドライブレベルからが、かえって直線性の良い動作範囲であることを示唆します。

もっとドライブ電力を増やしてどれくらいのIMD特性が得られるのか実験してみたいところですが、残念ながら本日は、このパワーtwo-tone ドライブシステムではこれ以上の出力にはなりません。
(CWモードで送信すると合成出力は各50W出てきますので、法定最大パワーの出力1KWのときのIMDが見られます。)


さて、3CX3000A7のようにもっとドライブを増やせばその分たくさん出力がでてくるリニアアンプでは、QRO目的にいわゆる「中押しアンプ」でも入れてはどうか、という議論もあるでしょうが、文字通り「押して知るべし」 (推して知る・・・、が本当ですが)、そういう方法でマトモな音をさせているひとは、ほとんどいませんね。

例外的に、現実にはごく少数のひとが、中押しを挿入して(何段入れてか存じませんが)、いい音をさせています。
・・・が、それはやはり、使用しているパワーデバイスも技術レベルも、いわば「例外」のかたばかりですから、普通のアマチュアのかたは、真似をしないほうがいいでしょう。

信号が強くなる以上に、音が劣化するばかりかスプラッタまで倍増して、ヒンシュクを買うのがオチです。



Re: Two-tone tests投稿者: なかむら 投稿日:2005/09/05(Mon) 12:37 No.253  

みなさん、こんにちは!

 朝晩がだいぶ涼しくなりましたね。
いろいろ拝見し楽しませて頂いています。ところで、50Wのときのスペアナ波形が25Wの時とくらべ、3rdの?波形が左右対称じゃないし、周波数も少しずれているように見えますが、、、、、。?



Re: Two-tone tests投稿者: 那須次郎 投稿日:2005/09/07(Wed) 23:03 No.255  

なかむらさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
(最初、投稿者名がなぜか「なかむら」さんになっていたので、書き換えました。私の投稿です。)

ええっと? この波形のことでしょうかね。50Wでは、3rdは下が消えています。上だけ残った。なぜでしょう?

RB(resolution band)が広かったのか、平均化せず1回のスキャンで拾った波形なので、そのへんの問題かもしれませんが、詳細不明です。
またやってみます。ご指摘ありがとうございます。

各信号の高調波特性が違うと山の左右が対象じゃないときがあります。しかし今回は同じ機種であるうえ、ファイナル同調回路もないし、信号自体にそう違いはないかと思いますが・・・。

メインの山の高さが少し違ってみえるのは、上の山にカーソルがのっているためで、測定値は相互に0.2dBは違っていません。ちゃんと調整しましたので。



Re: IC-756PRO2 Two-tone tests投稿者: 756ユーザー 投稿日:2012/10/09(Tue) 06:43 No.1784  

192番の記述についての質問です。

折角ですから、定格出力100Wの場合も見ることにします。
2信号での平均出力です。(ピークひとつは50W相当、ということです。)

2トーンPEP100Wですから、2信号での平均出力50W(ピークひとつは25W相当(PEPから-6dB)と理解していましたが。
ちなみにPEP25Wでは平均出力12.5W(ピークひとつは6.25W)、PEP10Wでは平均5Wピークひとつ2.5W。

私の測定でも、大体同じ結果です。パワーを50Wぐらいまで下げると少し改善しますが、それ以下に下げても変わりません。これで3000A7をドライブするとかなりのスプラッターになりますが、音自体はナイスオーディオといわれます?
7800や7700でも100Wでは756と大差なしですが、50W以下で急激に改善し、10WではリニアのIMDと同じくらいになるようです。このくらいでおとなしく使えば綺麗ですが、200Wで3000A7を押せばやはりバリバリです。
TH3759A進行波管アンプの改造投稿者: 那須次郎 投稿日:2012/07/16(Mon) 18:38 No.1782  
No.1658のつづきです。

TH3759A TWT(進行波管)、もとは14GHz衛星アップリンク用です。付属品を10GHz用に取り換えて、アンプユニットだけ外部に取り出す改造をして使います。
目指す出力は300W。すでに225W出ていましたが、PICでリミットがかかるようです。

右のほうから、U字導波管の3端子スタブチューナー付き、WRJ14導波管に整合するように接続したWRJ10用アイソレータとダミーロード、青いローパスフィルタをはさんで2個の3端子スタブチューナ、HPの導波管変換WR−75/WR−90、接続用の導波管、導波管スイッチ、L字導波管(Hベント)、受信用プリアンプ(導波管入力)です。

導波管出力側および出力側からVSWRと通過損失を測定。
VSWR>1.2、通過損失=0.5dBと出ました。いい感じです。

少しだけ、全長が長すぎました。外部ユニットの防水箱に入らないことが判明!! 接続導波管を短くするしかない・・・



Re: TH3759A進行波管アンプの改造投稿者: 那須次郎 投稿日:2012/07/16(Mon) 19:59 No.1783  

> 接続導波管を短くするしかない・・・

接続用導波管、もうひとつ作りました。
短い導波管にフランジをハンダ付け。これでOKです。
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このプログラムは KENT 氏の yybbs を xoops(PHP) に移植したものです
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