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スクリーン電流の逆流対策で電源出力にブリーダー抵抗を設置しますが、この理屈が分かりません。ブリーダー抵抗を真ん中にして、左側に電源右側に真空管、電源電圧300V、抵抗10Kオーム、逆流電流が10mAと40mAの状況を考えてみました。10mAの時は真空管の起電力は10Kx10mA=100Vで300V以下なので問題は起きない。40mAの時は10Kx40mA=400Vになるので高スクリーン電圧になる。この考えは間違っている?この時抵抗両端の電圧は、それぞれ何Vになる?
> スクリーン電流仮にスクリーン電源の無負荷時の出力電圧を400Vとして、負荷電流によりこの電源の出力電圧が下降するようすをこのグラフに示したとします。通常のチョーク入力の平滑回路だとこんな感じで電圧が低下します。(コンデンサ入力の平滑回路だと、もっとやや直線に近い電圧降下のグラフになります。)この電源が供給できる電圧は、負荷が真空管であれブリーダ抵抗であれ、この曲線になると考えます。さてブリーダ抵抗に35mA流した場合、グラフから、この電源の負荷には300Vが出てきます。これはブリーダ抵抗に加わる電圧そのものですから、スクリーンにも300Vが加わります。4CX1000Aのスクリーンにこれを加えて動作させるとします。カットオフ、あるいはドライブをかけない状態ならスクリーン電流はゼロで、したがって電圧は300Vです。では、スクリーン電流が負電流のときにブリーダに生じる電圧はどうか(ブリーダには常に電源電圧もかかっています)、および正電流の場合の電源電圧の低下がどうか、単純じゃないですね、この計算は!実測したほうが早いでしょう・・・
> スクリーン電流の逆流対策別のスクリーン電源を作って、ブリーダ抵抗の代わりに、300V定格のツェナーダイオードが入っているとすると、負のスクリーン電流が流れても、流しているツェナー電流に相殺されて、(単純に考えるなら)電圧は一定となります。リニアアンプ208Uー10のドライバ段や、出力400Wのエアボーン送受信機618Tのファイナル段など、コリンズ製の中電力送信機の多数の例でこの方式が採用されています。たいていプレート電圧を抵抗分割して、スクリーン側の抵抗に並列にツェナーを挿入しています。抵抗を並列にしているのは、ツェナーの消費電力の負担を減らす効果もあります。しかしこの回路で吸収できる負電流の大きさは、このツェナーダイオードに流せる定格電流の範囲内である必要があります。一方、この回路では、ツェナーよりも電源側に、適当な電圧降下が生じるような値の直列抵抗分を見越しておく必要があります。したがって、もともと流していたツェナー電流を超える正のスクリーン電流が流れた場合は、電源電圧がツェナー電圧を割り込むため、ツェナーダイオードには電流は流れなくなります。四極管・五極管のパワーアンプにおける電源について、諸先輩たちがスクリーン電源の重要性を説いています。すなわち、三極管と違って、これらの球ではプレート電圧の変動に対してほとんどプレート電流は変化しないが、スクリーン電源の電圧変動が球の動作に大きく影響するためです。この回路はツェナーでは不十分で、これに代わるより高級な安定化回路(電圧の安定化と負電流に対するシャント効果を有するもの)にする必要がある、と諸文献にかれています。実際、四極管使用のカラーテレビ送信機などの極めて低いIMD特性を要求される装置では、例外なく上記の電源方式を採用しているのは見逃せません。しかし前出の208U−10のファイナル段や30S−1リニアアンプではこの回路は見当たらず、かわってスクリーン電源をプレート電源回路のカソード側の一部にする方法により済ませてしまっています。古い時代の送信機では、この方法で十分要求を満たせたのかもしれませんが、どなたか、スクリーン電源の方式で生じる違いを実際に比較してみた方はいませんか?
> ブリーダー抵抗を真ん中にしてSSB送信機のように電源の負荷変動が大きい場合、教科書的な単純な直流回路の考え方では充分ではありません。過渡的な変化も考慮に入れる必要があります。そうなると電源回路の振るまいは、ちょっとやっかいですが、むずかしい理屈は電源に精通した方にお願いするとして、スクリーン電源に用いる回路の負荷に対する電圧変動を直線的なものと考えてみることにします。400V電源は負荷の変化に対して電圧一定となるものと仮定します。ブリーダ抵抗RBは、電圧300Vのとき35mA流れるものを用いるとすると、RB=8.57kΩ が求められます。
> ブリーダー抵抗を真ん中にしてNo1573への返信です。(段がずれています)スクリーン電源の内部抵抗(を仮に直流抵抗だけと考えて)をR1、電源の負荷電流をIPS、ブリーダ電流をIB、送信管スクリーンからのリバースカレントをISとします。スクリーン電流=0 のときブリーダ抵抗には300Vの電圧がかり、ブリーダ電流が35mA流れます。
No1580への返信です。スクリーン電源の内部抵抗R1は、上記の値から2.86kΩになりますが、普通、ブリーダ抵抗のみで安定化を図る場合は、電源の内部抵抗(直流抵抗)はこんなに大きな値ではないでしょう。(ただしツェナーダイオードやシャント型レギュレータを入れる場合は、ある程度大きい値にする必要があるでしょう。)さて、この回路を電流が集まる点Pについて考えてみると、点Pに入る電流と出ていく電流の和=0になります(キルヒホッフの法則ですね!)ので、これを用いて、スクリーンのリバースカレントが35mAのときにブリーダ抵抗RBに生じる電圧Eを求めることにします。 E=375.7(V) が求められました。もともとE=300Vでブリーダ抵抗に流していたブリーダ電流35mAと同等の値のリバースカレントでも、ブリーダ電流が相殺されるだけでなく、それより高い電圧が発生することが考えられました。なお冒頭に書いたように、実際に用いる電源回路でのシミュレーションが可能であれば有用ですが、そう簡単ではないでしょう。それと、4CX1000AのAB1級動作時の推奨されるスクリーン電圧は、350Vです。GGアンプとするときは、ドライブRF電圧によるカソード電位の上昇分を見越して325Vにするように、とEimacの技術資料に記載されています。実際のスクリーン電流は、球の個体差により大幅に異なりますので、これも見越して、ブリーダ電流は実際に流す正のスクリーン電流より最低でも2倍、あるいは可能であれば3倍多めの100mAくらいあるほうがいいのかもしれません! ・・・どうぞ計算してみてください。
> 4CX1000AのAB1級動作時の推奨されるスクリーン電圧は、350Vこれは325Vの間違いでした。訂正します。GGアンプにするときは、ドライブRF電圧によるカソード電位の上昇分を見越して、最大スクリーン電流のときでもスクリーングリッド許容損失12Wを超えないように低めの電圧に設定します。写真は、4CX1000Aの前身と思われる、ガラス封止送信管を使用したリニアアンプの製作例。SINGLE SIDEーBAND誌より
>実測した方が早いでしょう・・・で、終わりかなと思い困ったなと思っていましたが、No.1581で「電源のインピーダンスを小さくしましょう」の記事の意味も含めて分かったような気がします。ありがとうございます。>ブリーダ電流は実際に流す正のスクリーン電流より最低でも2倍、あるいは可能であれば3倍多めの100mAくらいあるほうがいいのかもしれません!実際の電源では順方向の内部抵抗が3Kではなくゼロに近いと思いますので、P点の電圧が300Vを維持できる最大の逆流電流は、無負荷時にブリーダーに流れる電流と等しくなるのではないでしょうか。すなわち、ブリーダーに流す最低の電流値は正の最大電流値ではなく負の最大電流値ではないでしょうか。
> ブリーダーに流す最低の電流値は正の最大電流値ではなく負の最大電流値ではないでしょうか。山下さんがご心配のスクリーン負電流の動きは、ダイナトロンの段のNo1562にある4CX1000Aの定電流特性の図のスクリーン電流の範囲を見てください。たとえばプレート電圧3000V、グリッドバイアス電圧ー55Vのとき、ゼロ信号入力で250mAのアイドル電流が流れます。ここからドライブをかけていくと、たとえばプレート電圧1000Vでプレート電流(RFのピーク値)の2Aまで流す(DCならおよそ0.7Aくらいでしょうか)とすると、スクリーン電流はまず負の領域から流れ始め、最低の−25mAくらいをかすめて、そのあとゼロに戻ってから+50mA(ピーク値、DCメータでどれくらいの指示値になるか不明)くらいまで振れるとすると、やはりブリーダー抵抗に流すべき電流は、スクリーンの正の最大電流に対応するべきかと思われますので、そのたとえばこのピーク値の2倍で(DCメーター上で)100mAくらいあれば、まあ充分か、となるのではないでしょうか。実際にはスクリーン電流の値は、球の個体差や動作条件で大幅に異なりますが、負電流の絶対値が正電流の絶対値より大きい動作で使用することは一般的でないように思います。
定電流特性図からスクリーン電流の変化を読み取ることはできますが、>ブリーダー抵抗に流すべき電流は、スクリーンの正の最大電流に対応するべきかと思われますこの理由が分かりません。ブリーダー抵抗を使う目的は負の電流対策のはずですので正の電流とは無関係ではないでしょうか。No.1581の説明ではブリーダーに流れる電流は正と負の合計で、P点の電圧が変化しなければ負が増えれば正が減少しますが、負の電流がブリーダー電流より多くなった場合はP点の電圧が変化しな前提では、Ipsは逆に流れます。しかし、電源の逆方向の内部抵抗は順方向とは比較にならないほど大きいはずで、Ipsはすんなりとは流れないのでP点の電圧は目的の数値より高くなる。すなわち、ブリーダーに流す必要最小電流は最大逆流電流だと私は思うのですが、何か大きな勘違いをしているのでしょうか。
>P点の電圧が変化しなければ山下さんの仮定では、最初にこの点が間違いでしょう。P点の電圧は、ブリーダー抵抗に電流を流すだけの回路の場合、まずスクリーン電流が負の領域で電圧増加、その後、スクリーン電流ゼロでもともとのブリーダーのみのときの電圧、さらにドライブのピークでスクリーン電流が正の領域では電圧低下の方向に変動します。これが、信号の1/4サイクルの間に毎度のように起こります。P点の電圧は常に変化して一定になりません。いっぽう、このスクリーン電圧変動(P点における)がプレート電流に及ぼす影響は、定電流特性のグラフからは計りしれないような危険な暴走、あるいはピークが潰れてひどい歪み発生につながる状況などを作り出す可能性があります。さてそれでは、スクリーン電流が負でも正でもいったいどれくらい流れるのか、これは何度も書いている通り、球の個体差や負荷の設定や動作条件で大幅に(2,3倍かは)異なります。必要最低限、ブリーダー抵抗には常時、想定されるスクリーン負電流程度は流しておくべき(このご意見は間違いではない)ですが、ではどれくらい現実に負電流が流れるかは、実際にDCメーターを入れておいてご覧いただいたら、ひと目見ただけで理解できると思います。仮に負電流が25mA流れる、そう思うのであれば、少なくともその倍の50mAが見られる電流計にしてください。正の電流も見ないといけませんので、この場合は±50mAのDC電流計ということになります。さらに、複数の4CX1000Aをお持ちでしたら、同一の動作条件で、それぞれどれくらい各電流が流れるのかを測定なさってください。このメーターが(マイナスにもプラスにも)振りきれないように、ドライブ電力を少ないほうから徐々にアップしながら、注意深く同調操作をなさってください。そうしていただければ、私がなにを言いたいかが充分理解されるのではないでしょうか。ついでにその4CX1000Aから出てくるSSB音声の信号をモニターしてみてください。もし真空管が暴走しないでうまく送信できたとするなら、ブリーダー電流をケチった通りの荒削りな音で、近傍の周波数にパリパリとスプラッタしている様子が聞こえることでしょう・・・
私はアンプを所有しておりませんしこれから製作する予定もありませんので、ご提案の確認はできません。私は単に、アンプの記事などにダイナトロン特性がスクリーン電流の逆流と関係があるような表現とか、電源の出力にブリーダー抵抗をいれて逆流対策にするなどの理屈に知的興味があるだけです。No.1586の内容は理解できますが、なぜブリーダー抵抗値を決定する要素が正側の最大電流値になるのか理解できません。>山下さんの仮定では、最初にこの点が間違いでしょう。確かに「変化しない」表現は間違いですが、説明を簡単にするためには「変化しない」前提の方が分かりやすいし、実際の電源でも順方向の内部抵抗は十分に小さいのでIs≦IBの条件が満たされる時は「変化しない」に等しい変化のはずです。No.1581を読んで、この電圧変化を無視できる条件が満たされるのはIs≦IBで、IsがIBより多くなった時は多くなった殆どの電流がRBに流れてP点の電圧が上昇すると、私は理解しました。上記の理解から導かれる結果は、「RBの値を決める要素は最大逆流電流値」になりますが。。。
> 「RBの値を決める要素は最大逆流電流値」になりますが山下さんの議論がどうも私の話と噛み合わないのが、実際に4CX1000Aを動作させることを考慮していない机上の空論、アタマの中だけの理屈に終始しているためだと理解しました。この送信管のスクリーングリッドの電流が、どれほどダイナミックに変動するか、そしてどれほど注意深い使用をしないといけないのか、という論点がまったくないのが、議論が噛み合わない原因です。質問:スクリーンの負電流(山下さんの表現の逆電流と同じことですが)は、どうやって最大値を決めるのでしょうか?まずこの点をはっきりさせておかないと、山下さんの理屈通りにブリーダーに流すべき電流というのが決まりません。しかしこれはたびたび書いたように、残念ながら送信管の資料からは決まらない値です。(注、テクニカルデータとして掲載されている定電流曲線のなかにあるグラフは、あくまで計算値、代表的なそうなるでしょうといった意味のもので、実際そうなりますという保証ではないです。)ある場合はゼロ、あるときは−5mA、かと思ったら負荷の設定や周波数を変えるなどによっては−25mAにもなる、場合によったら−50mAかもしれない、という風です。これはあらかじめ決められる値ではないのです。しかしこれは別にいくらでもいいわけです。なぜなら負電流はスクリーングリッド損失には関係しないからです。いっぽうスクリーングリッドの最大許容損失は12Wですから、当然ながら正の電流の許容値はこれから求められます(いやでも決まってしまいます)。ゆえに、これをもとにブリーダーに流すべき電流を検討するほうが合理的です。さて本来、電源に挿入するブリーダー抵抗の働きは、ある程度の電流を流しておき、負荷変動における分母を確保することです。負荷変動がゼロから30mAになるのよりも、たとえばブリーダーに30mA流しておくところから、最大負荷時に60mAになるほうが電圧変動率が小さいこと(まあ普通の電源はそうなるでしょう)がその根拠です。もちろん電源そのものの容量が60mAでヘタるようではいけませんが。さらにこれまでに書いたとおり、ブリーダー電流をもっと大きくとることで得られるメリット、すなわち負荷変動における電流の分母を大きくするのが電圧変動をより小さくすることにつながる、という視点を忘れてはなりません。特に平滑回路がチョークインプットの電源では、これは大きな意味をもちます。それと同時に、スクリーン負電流に対するブリーダーの役割が二義的に発生するわけです。しかしこれは、本来であれば、流れる電流によって発生する電圧が変化しない、シャント型レギュレータであるほうが、より良いといえます。4CX1000Aを使用して成功しているリニアアンプやSSB送信機では、スクリーン電源をプレート電源回路に直列接続して、プレート電源の一部として取り込んでいます。送信管のプレート電流をもってブリーダーの役割をさせる、という考え方です。すなわちこの回路方式により、スクリーン電源にはプレートアイドルDC電流の250mAから、さらに信号入力時のDC数百mAという大電流を流しています。これにより、スクリーングリッドのたかだか数十mAという小さい電流変動はみごとにキャンセルされて余りある状態になるのです。もちろんブリーダー抵抗も入っていますが、これはむしろ平滑回路の大容量キャパシターの放電用の意味合いのほうがメインなのかもしれません。以上、4CX1000Aという送信管を使用して、単一キャリアやDC制御ではなく、SSB音声などのダイナミックレンジを必要とするAB1級動作におけるスクリーングリッド電源についての考察です。もっと新しい時代の、新しい設計で製造された四極送信管では、もっと簡単な電源でいいのかとは思いますが。
私は空論を述べているつもりはありませんし、机上の設計どおりにアンプが動くなどと言うつもりもありません。また、電源を含めたアンプ全体の設計に関する理論も尋ねていません。話が噛み合わないのは、>さて本来、電源に挿入するブリーダー抵抗の働きは.....それと同時に、スクリーン負電流に対するブリーダーの役割が二義的に発生するわけです。この「二義的」が原因です。私の理解は主たる目的は負電流対策で、「ある程度の電流を流しておき、負荷変動における分母を確保することです...」が二義的なものです。那須次郎さんの考え方では、「たまたまブリーダー電流が逆流電流より多かったので問題が起きなかった」と言う事になるのではないでしょうか。>スクリーングリッドの最大許容損失は12Wですから、当然ながら正の電流の許容値はこれから求められます(いやでも決まってしまいます)。ゆえに、これをもとにブリーダーに流すべき電流を検討するほうが合理的です。合理的な手順を具体的に説明していただけませんか。質問の件ですが、電源単体での机上の設計ですので自由に決めればよいのではと思います。
> 私の理解は主たる目的は負電流対策で、固定抵抗に不定の電流を流す場合、あるときはゼロ、あるときはマイナス、あるときはプラスになるようなスクり−ングリッド電流が対象では、固定抵抗の両端に発生する電圧が変動するので、これで電圧を安定化させようとすること自体に少々無理があります。しかたがないので、スクリーン電源のほうからたくさんブリーダーに無駄飯を食わせてやって、この正電流でスクリーンの負電流を相殺する(といっても結果的に比率を減らすだけの)方法が取られるわけです。したがって、想定される負電流よりはるかに大きいブリーダー電流が必要、これは掲示板読者の多くの方が理解する話ではないでしょうか。では、どれくらいの「想定」かですが、真空管アンプをいじれるひとなら、電流計くらいは持っているでしょうから、実回路の使用している四極管で、実測して実感して理解するほうが早いです。これも最初に書いた通りで、あまりの激しい変動に、目からウロコ、となることでしょう。重箱本に、「スクリーングリッドを制するものが四極管を制する」と書いたのは、そういうことを知ってほしいからです。人生に経験は大切です。ご自分で経験できないのであれば、経験者の意見に一生懸命、耳を傾ける、あるいは目を見開くほうがいいと思います。その経験が、賢者のものか、愚者のものか、それは問いませんので。四極管使用の「常識」として、予定される最大スクリーングリッド電流の2ないし3倍、あるいはプレート電流の10%程度に相当するブリーダー電流を流すとのは、いまさら私が云々するべきことではないでしょう。4CX1000Aであれば、最低必要なブリーダー電流は、60mAとか、100mAとかそういう値になります。(もっと流しても、文句はいわれませんが。)このブリーダー抵抗の部分(スクリーン電圧がかかる点)に生じてもよい最大の許容電圧で、放電させてしまう保護回路、というのもあります。定電圧ガス放電管や、大型送信管ではサイラトロンを使用します。さてブリーダー電流にこだわって、どれくらい流すのかを考えるには、スクリーンに流せる最大電流も、プレート電流も、使用する四極管の定格動作に載っていますのでこれを参照します。これがなによりの合理的根拠です。真空管を動作させるにあたっての基本は、各電極には「所定の電圧をかけて所定の電流が流れるように調整する」、もちろんドライブをかける以前の段階で、所定のプレート電流が流れるようにグリッドバイアスなどの微調整が必要です。その結果、生じるものがスクリーン電流であり、グリッド電流であるわけで、これらは真空管動作を計る順番からしたら、あとのほうでしょう。けっしてスクリーングリッドの負電流が所定の値になるようにまず調整する、という手順を勧めている教科書はないでしょう。しかし、あるレベルでの動作が適切かどうか、負荷の設定条件が適合かどうかを見るのは、スクリーングリッド電流の動向を調べるのがもっとも重要、かつ効果的です。これは掲示板でも「重箱」本でも繰り返し記述されてきた通りです。失礼な言い方になりますが、はっきり申し上げるなら、山下さんが、何にも増してスクリーンの負電流に異常なこだわりを示されるのは、拝見していて、なんだか滑稽な気がします。四極管動作のうえで重要なスクリーン電流の動き、このなかでの負電流への対処、であって、まず初めに負電流に対策するブリーダー電流から四極管の動作を理解しようとする、あるいは電源回路を規定しようとするところに論理展開上の無理を感じます。スクリーンのブリーダー抵抗に全面的に頼らないですむ方法は、先に書いたように、コリンズの無線装置に多々見られるアイデアを研究されると、もっと自由な発想を抱き、電子管回路を考えるうえでもっと賢くなれるのではないでしょうか。それもメンドーだ、と思われる方なら、いっそのことスーパーカソードドライビングという手法がお勧めです。四極管にヒーター電源とプレート電源だけでGGアンプ動作をさせるという、あれです。しかしこの回路をもってしても(スクリーンDC電圧はゼロで、スクリーンにはドライブRF電圧のみ加わるわけですが)4CX1000Aのスクリーングリッド電流は、負電流の領域がけっこう広いのはこの送信管の生まれ持った素性なのでしょう。そろそろ疲れてきましたので、この話題はおしまいとさせていただきたいとます。本掲示板の趣旨である「重箱の隅」にふさわしい、話題の提供ありがとうございました。
こんばんは。ずいぶんと久しぶりに書き込ませていただきます。4極管におけるSg電圧の件、静観しておりました。私の場合、5F23/4-400A Push-Pullですが、Sg電圧の安定化に半導体(Power-MOS FET)を用いたものを設計し(設計は知人ですが)使っています。回路は①過電流保護と②逆流対策を兼ねたものとなっており、Sgに拘わるトラブルは無し(発振で苦労しましたが・・・)で動作しています。当初は、ブリーダーを使うことも考えたのですが、単純に熱にしてしまうのがもったいなく、じゃ、「Sg電流が変化しようが、逆流で高くなろうがSg電圧が動かない回路を作ってしまえば良い」との発想でこうなったものです。動作させてみて結果的に4-400Aは4CX1000Aと比較してずいぶんとおとなしい性格のようで、Sg電流計を凝視しても逆に振れることは無く、この回路が4CX1000Aで通用するのかは不明です。まずはEimac (CPI) のWebにある「Care and Feeding of Power Grid Tubes」2.2Tetrodeのあたりを熟読されることをお勧めします。
> 逆流で高くなろうがSg電圧が動かない回路こんにちは。お久しぶりです。その後、愛機のご機嫌はよろしいでしょうか?回路をぱっと見るかぎりではよく判らないのですが、このドロップ型のレギュレータだと、負荷側の電圧上昇に対して、入力側の電圧に近いくらいまで(当然負荷電流があればここがドロップするでしょうけれど)は対応できるものなのでしょうか。ご存じかも知れませんが、ハムジャーナルNO.109に6F62Rで使用しているシャントレギュレーターの実用回路が載っています。
>経験者の意見に一生懸命、耳を傾ける...拝承。那須次郎さんのおかげでスクリーン電源について随分と理解が進みました。ありがとうございました。
那須次郎さまはい、シャントレギュレータも実験しましたが、どうも温度特性や電流変化に対する安定度が気に入らなくて、この回路となりました。ブリーダよりは、シャントレギュレータの方が損失が少なくて済みますが、それでも500Vで0〜100mAを安定化させるのはかなりの発熱となります。また、Sgの過電流保護ができない・・・例えばプレートに電圧が印加されずに、Sg電圧のみ加わった場合など・・・ことも気になっていました。この回路、動作はそんなに難しくないです。電流制限は、上側のFETのソースに入っている18Ωによって発生する電圧が5Vのツェナーダイオード電圧を超えると、FETがOFFとなり制限が掛かる。(発振したとき、何度もこれで救われました。Sg電圧が下がると発振が抑制される方向に働くので、他の部品が破壊されることはありません)負荷側からの過電圧があった場合、同様に上側FETがOFFとなり、5Vツェナーダイオードを通じて、下側のFETに流れ込む(単なる500Vのシャント回路)という具合です。逆流の許容範囲は、ツェナーの許容損失などで算出できます。Vdss=1,500Vと高い2SK2555を使いましたが、900V系なら200円〜300円程度でごろごろありますので、それで十分でしょう。例のアンプ、1つ良く解らない現象が起こってまして、また別に書き込みさせていただきます。
ダイナトロン特性とはプレート電圧を増加させても、プレート電流が減少しスクリーン電流が増加する現象らしいのですが、この現象を4CX1000Aの定電流特性曲線表から読み取る事はできるのでしょうか。
> ダイナトロン特性山下さん、Eimac 4CX1000Aの定電流特性曲線表を見てみましょう。スクリーン電流は、一点破線で示されます。図の中で、たとえばプレート電圧2500Vのとき、グリッド直流電圧をマイナスからゼロ、(グラフの上へ)移動させると、プレート電流は増加し、スクリーン電流がゼロの領域を示すカーブ(ヘアピン状)を超えてマイナスの領域に入るのがわかります。さらにグリッド電圧をそのマイナス電位からゼロ、ゼロからプラス領域へ移動させると、スクリーン電流はマイナスからプラス領域へと増加に転じます。ただしこれは典型例の特性であり、各4CX1000Aには個体差があると思ってください。たとえば、ある球では−5mAにとどまるが、別の球では−25mAより深いマイナス電流が流れることがあるかもしれません。あるグリッド・バイアス電圧のとき、これをあるドライブ電圧で(上下に)振ると、その範囲でプレート電流が変化します(ただしRFではピーク値)。正弦波(ピーク値)で振るとすれば、あるグリッド・バイアス電圧に正弦波をかさねてみれば、このグラフからどの範囲でプレート電流が変化するかがわかります。ただしAB1クラスで動作させる場合は、グリッドのドライブ電圧のプラス側はバイアス電圧を超えることなくマイナス領域にとどまります。このときのプレート負荷設定で、プレートRF電圧(RFのピーク値)が左右にどれくらい変化するが決まるわけです。このドライブ電圧のときに、プレート電圧(直流電源電圧は一定として)をどこからどこまでの範囲でスイングするかを決めるのが、負荷の設定だというわけです。使用程度や内部電極の劣化の状況、さらに新品であっても動作時の負荷の設定条件(ロードの掛け方)や負荷の状態の良否(SWRなど)によって、大幅にことなるのがこの負電流の特徴です。さいわい、4CX1000Aではプレート直流電圧を変更しても、同一のグリッド・バイアス電圧、スクリーン電圧の状態では、プレート電流特性はほとんど変わらないのがわかります。プレート電圧がスイングされて、スクリーン直流電圧に近づくほどスクリーン電流は増加します。もちろん、プレート電圧がもともと低い状態で使用する場合は、小さなスイングでも大きなスクリーン電流を流すおそれがあります。したがって、通常、四極送信管ではプレート電圧はスクリーン電圧より、はるかに高いわけです。
那須次郎さん説明ありがとうございます。特性図にどの様な直線を引けばプレート電圧は増加、電流は減少、スクリーン電流は増加を読み取れるのかがわかりません。スクリーン電圧付近でのプレート電圧変化が電流に大きく影響しているので、このあたりかなと思うのですが??です。
>特性図にどの様な直線を引けばプレート電圧は増加、電流は減少、スクリーン電流は増加を読み取れるのか 山下さん、本サイトの資料室の一番下にあるファイル「電源(=パワーのみなもと)と球動作点」のなかで、90ページ〜付近の説明をご覧ください。4CX300Aの例で説明しています。グラフ上に引く動作曲線(直線ですね)の傾きで、各電極の電流値は求まります(が、代表値です)。この動作範囲の縦軸はグリッド電圧(=グリッド・バイアスに与えるドライブRF電圧の振幅)で、横軸はプレート電圧(プレートDC電圧におけるプレートRF電圧の振幅)です。グリッドに与えるRF電圧が一定でも、プレート負荷の設定を変えると、得られるプレート出力電圧が変わります。このときのスクリーン電流はグラフのなかに一点破線で示されています。ドライブ電圧を変化させると、球の動作は、その直線状を動くわけです。なお、スクリーン電圧付近まで、プレート電圧(の下側、ピーク値)を振ったのでは、ひじょうに危険です!
>本サイトの資料室 今、気が付いたのですが、現在このなかに収納してあるファイルには、もとの資料「重箱の隅をつついて遊ぶ」の記述から、(もともと資料室にあったか、未確認なのですが)下記の部分が抜け落ちています。列挙すると、 ・ALC回路、4枚、シンワのLPFまで ・ANT事故からリニア・送信機を守る保護回路 ・強制空冷について、4枚 ・シールドについて、(4CX1000Kソケットの写真があるページから)、 ・電波の出口から先、(ログペリを含めて)3枚 ・広告のページ、3枚 ・参考文献、(Jenningsを含めて)7枚 さらに、順番入れ替えで混乱ているページは、 57−60 Eimac Performance Computer 前のファイルの方に入っています。 本来は、電源と球の動作 のあとのところです。突然、別の項目に登場するので、びっくりされるかもしれません。 なお原本にある、「伊藤建一のアース・シリーズ」の部分は、もともと入れなかったかと記憶しています。 PCサーバの故障の際に消えたのだろうかと想像しています。復活できるようでしたら後日またULしたいと思います。、
> 4CX1000A MILのポリ袋入りがありました。もちろん未使用品。’80年頃、4本まとめて、某OMから購入したもので、1本、¥28kくらいだったと思います。
資料室のファイル拝見しました。4CX300Aの特性図は持っていませんので4CX1000Aの特性図を眺めていろいろラインを書きましたが、「プレート電圧は増加、電流は減少、スクリーン電流は増加」のラインを書く事はできません。プレート電圧の目盛に対して垂直のラインは、電圧が変化しないので除外、右下がりのラインはどの場所においてもプレート電流が減少しているので除外、(ダイナトロン特性は減少後再び増加に転じる)残りはプレート電圧の目盛に対して水平のラインで、右端あたりでプレート電流が大きく変化している領域、たとえばグリッドが-50Vでプレート電圧が50Vから100Vの増加時にプレート電流は僅かに減少し、その後プレート電圧の増加に伴ってプレート電流は増加しているが、スクリーン電流は250mAから200mAに減少している。定電流特性図からダイナトロン特性を読み取れるのか、取れないのか分からない状況です。
> ダイナトロン特性山下さんは、四極管の欠点であるこの負性抵抗特性を克服して設計製造された、優れたラジアルビーム送信管に、そのような特性が見られるか調べていらっしゃるのでしょうか、意図がよくわからないのですが。この送信管を含めて、Eimacのビーム・テトロードに特徴的なのは、・グリッドおよびスクリーン電圧を一定とすると、プレート電圧を変化させてもプレート電流特性がほとんど変化しない。・ドライブを増加させると、スクリーン電流がゼロから一旦ネガティブな領域に入り、そのあとポジティブに転じる(そのあたりから歪みが増加)。これだと思います。
>意図がよくわからないのですが。私がこの掲示板に書き込んだのは、私の疑問「ダイナトロン特性を4CX1000Aの定電流特性曲線表から読み取る事はできるか」に答えて頂けるのではないかと思ったからです。>四極管の欠点であるこの負性抵抗特性を克服して設計製造されたと、いう事のようなので一般的な説明のダイナトロン特性を有しないので読み取れないと理解しました。ありがとうございました。実はもう一つ分からない事、スクリーン電流の逆流があります。これは、タイトルを変えて改めて投稿したいと思いますのでよろしくお願いします。
> ダイナトロン特性No1562の4CX1000A定電流特性曲線では、プレート電圧がスクリーン電圧325Vに近づく部分でそれらしい形になるのかと思います。しかしこの送信管は、ダイナトロン(という種類の真空管)ではありませんので、ご期待に添うようなカーブではないということでしょう。掲示板では、写真をクリックすると画像が大きくなりますので、フルサイズでご覧ください。
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