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那須次郎とアンプを語ろう

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続・Pentode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/06(Thu) 22:57 No.1052  
4CX1000Aには反応がイマイチのようですから、話題を変えます。

四極管(tetrode)がもう古臭い送信管だとすれば、五極管(pentode)はもっと古臭いということでしょうか。

Technical Material Corporation (TMC) というメーカーはいくつかの軍用無線機を生産しています。
これもそのひとつ、2MHzから30MHzの周波数をカバーする大型送信機のドライバーアンプで、陽極損失1000Wのセラミック・メタル五極管 8295A を使用しています。

GPT-10Kという定格10kW出力の送信機の前段ではないか、と思われ、この装置自体はファイナルに4CX5000AをGGアンプで使用しているはずです。
AM/SSB/CW/RTTYを送信する大型送信機で、巨大なラックには電力増幅回路のほか、真空管回路でできた変調装置と水銀整流管使用の高圧電源も内蔵しています。



Re: 続・Pentode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/06(Thu) 23:03 No.1053  

> Technical Material Corporation (TMC)

写真のドライブ段そのものは、同社のGPT-1Kというアンプに相当するのではないでしょうか。詳細な記録は手許にないのですが、この写真のアンプのパネルには、IPAすなわち中間電力増幅と表示があります。

大きなダイアルは、プレート同調とローディングキャパシタのカウンタ・ダイアルです。メーターは左手がマルチメータ、右はIPAすなわちこの段のファイナル送信管8295Aのプレート電流計です。



Re: 続・Pentode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/06(Thu) 23:22 No.1054  

> Technical Material Corporation (TMC)
> 五極管 8295A を使用しているIPAすなわち中間電力増幅

アンプ本体は19インチのラック・パネルのあるシャーシ、その外枠には8295Aのグリッドやスクリーンおよび前段アンプの電源回路が配置されいて、両者はキャノン・コネクタで接続されます。いろいろなバージョンがあるのかもしれませんが、このアンプの電源入力は単相でAC400V仕様になっています。

立派な真空バリコンや大型のタンクコイルが見えます。
8295Aは抜いてあり、ソケットは8877や829Bなどと同じ7-pinソケットです。

パンチング・メタルのふたがある部分は、入力段の増幅回路です。

黒いブロワーは、モーターが空気取り入れ口側に付いているタイプで、この構造だとモーターも冷却されることになるのでしょう。ブロワー全体の厚みも薄型化できるというわけです。



Re: 続・Pentode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/06(Thu) 23:37 No.1055  

> Technical Material Corporation (TMC) というメーカーはいくつかの軍用無線機を生産しています。

13ページくらい前のNo.853-855にある4CX350Ax2のアンプもこのメーカーの製品です。よく似ています。

8295Aのタンク回路。ローディングキャパシタをバンドスイッチで切り換えて、おおよその値に設定したうえでローディングVCをまわして調整するようになっています。

日本ではかつてトリオ製品のトランシーバーTS−500や同じころの6LQ6使用のリニアアンプにこの方式が採用されました。



Re: 続・Pentode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/06(Thu) 23:39 No.1056  

> 8295Aのタンク回路。ローディングキャパシタをバンドスイッチで切り換えて、おおよその値に設定したうえでローディングVCをまわして調整



Re: 続・Pentode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/06(Thu) 23:52 No.1057  

> 8295Aは抜いてあり、ソケットは8877や829Bなどと同じ7-pinソケットです。

写真上のコネクタは出力用HN。
エナメル線を巻いたプレートRFCが見えます。

私の記述に若干混乱がありましたので、訂正しています。(この掲示板の記述はときどき改訂しています。)

プレート引き出し線は2本のDCブロッキングキャパシタを経てタンク回路に接続されています。

しかしキャパシタを介さないで直接タンク回路に接続されるアンプもあります。このIPAのファイナルアンプ4CX5000Aの回路がそれで、TMCの送信機に特徴的な回路です。そのほうがプレート側から見たタンク回路の位相ずれが少ないのかもしれません。
この場合のブロッキングキャパシタはタンク回路(paiマッチ)の内部にあり、位相ずれは補正される運命にあります。ただし手前のほうはDC高圧が常に乗りますので、触ってはいけません!

周波数範囲が15オクターブもあるこの送信機では、プレート回路に挿入されるDCブロキングキャパシタにより、影響が出ます。プレートから見たタンク回路が位相ずれ、となるため、タンクが同調していても、プレートから見たらずれているのです。
それも、想定される周波数範囲の上のバンドと下のバンドではでそれぞれ違う影響を受けるのです。オーディオアンプなどは30度くらいずれてもいいらしいのですが、ハイパワーのRF回路ではそうは行きません。

すなわち、バンドによって異なる最適な静電容量の大きさを選ばなければならない煩わしさや、物理的な大きさによる影響を回避するのに、一番手っ取り早い方法はそんな部品は使わない、ということのようです。

横長の金属板に2本のブロッングキャパシタ、左手下のほうに見える円板は、中和用キャパシタです。



Re: 続・Pentode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/07(Fri) 00:04 No.1058  

> パンチング・メタルのふたがある部分は、入力段の増幅回路

このアンプではどの段にもNFBは掛けていません。
ふたを取るとドライバ段の6146、RF入力段アンプの6CL6があります。抵抗を介したグリッド入力だったかもしれません。

Gates社のHFL-2500(3段増幅、ファイナル4CX3000A、ドライバ4CX250Bだったか)の入力段もやはり6CL6ですが、せめて入力回路くらいNFBがかかるように?とでも思ったのか、RF入力段の6CL6はAクラスのGGアンプになっています。
これにより、定格200mWのエキサイタ出力を抵抗で受けて、そのまま6CL6カソードへ特にバンド毎のマッチング回路を用いずに入力しています。多少のインピーダンスの乱れは気にしない、ということのようです。

多極管では安定な動作を得るために、わざとゲインを抑える回路を採用することがあります。TMCのこのIPAでも、この段の6CL6のゲインを抑えて安定化を図りながら、次段6146のグリッドをドライブするのに十分なRF電圧を作ることができる構成なのです。
続・Tetrode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/02/29(Fri) 02:09 No.1045  
四極管の代表的送信管は、何と言っても4CX1000Aでしょう。

別名、4CX1000本ノック。製作したひとがくたびれてしまうほど、言うことを聞かないアンプになることが多いからでしょう。この面白い呼び名は、遠州彦三郎さんからお聞きしました。

その送信管を贅沢にも2本並べたOMがいました。フロントパネルも優れた意匠です。’70年代、普通のアマチュアにはFL-2000Bとか6KD6を並べているような時代でした。



Re: 続・Tetrode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/02/29(Fri) 02:19 No.1046  

> 何と言っても4CX1000A
> その送信管を贅沢にも2本並べた

このアンプ、どこかで見た覚えが? 

そう、No816〜817にある似たような8877x2のアンプと作者は同じだと伝えられています。
作者OM氏はCQ出版のリニアアンプ本の中で4CX1000Aアンプについて解説していますが、不思議な記事で写真が載っていませんでした。

謎はこれで解けますね。



Re: 続・Tetrode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/02/29(Fri) 23:10 No.1047  

>何と言っても4CX1000A

このシリーズの送信管、すなわち4CX1000Aと1500BをRF回路で使用するときは、スクリーングリッドのバイパスキャパシタを内蔵する SK-800B というソケットを使用します。そのソケットの値段、’70年当時の価格で$300くらいしたのではないでしょうか? $1=¥360の時代です。

私は千葉の友達からいただきました。久し振りに出して見ましたが、だいぶ黒化しています。

VHF用の4CX1000Kと直熱管の4CX1500Aは個別にソケットを用意する必要があります。

8877x2のほうではカウンターダイアルはヤッチャンの4CX3000Aと同じ種類のようでした。当時、入手可能であった品種なのでしょう。しかしこの4CX1000Aアンプのダイアルは、30S-1のつまみか類似の製品を使用して、文字盤とエスカッションを取り付けたもののようです。



Re: 続・Tetrode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/01(Sat) 13:52 No.1048  

バンドスイッチ、これは非常によく出回っているもので、ヤッチャンも私の4CX1000Aでも使用しました。
5接点のものと6接点のものがあります。ただしこのスイッチは、日本製とは接点間の回転角度が違いますから、両者を連動させるには工夫が要ります。
かなりがっちりできた接点ですから、耐電力は相当なものです。耐電圧は数kVですから、プレート3kVくらい、せいぜい4kVなら耐えるかと思われます。
有名なAM/CW送信機であるBC-610のアンテナカップラに使用しているのと同じスイッチではないか、と思いますが、どうでしょうか。

タンクコイルは自作でしょう。たぶん8mm径の柔らかいガス・パイプですね。まき数が少ないので、14メガ以上かと思われます。



Re: 続・Tetrode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/01(Sat) 13:57 No.1049  

> バンドスイッチ
5接点のものと6接点のものがあります。
日本製とは接点間の回転角度が違います。

短いシャフトは1/4インチで、この新古品ジャンクにはたいてい矢印型のつまみが付属しています。
ばねがきつくて、日本人の指には相当な負担になりますから、ばねをドライバでこついで、少々伸ばしておくといいかもしれません。



Re: 続・Tetrode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/01(Sat) 14:11 No.1050  

>4CX1000A

OMの記事によれば、グリッド入力、ドライブを無誘導抵抗で受けているだけのようですから、Cgkが合計100pF近い値ですからハイバンドではインピーダンスが下がりすぎて、SWRは相当高くなります。

これは、無誘導抵抗の値を100〜200オームくらいにしておけば緩和されるのかもしれません。ただしドライブが数ワットと小さくて済むようになるので、オーバードライブしないように注意が必要です。

SWRを下げるには、Cgk(グリッド・カソード間のキャパシタンス)をキャンセルするようにバンド毎のコイルを並列または直列に入れるか、JRCの送信機にあるような、Qの低いローパスフィルタ型の回路を構成してやります(図)。

ETOの四極管アンプのようにC2に相当する位置にCgkを入れる方法もあり、送信管の電極間容量で選択すればいいかと思います。(このほうが、直接グリッドが抵抗で終端されるので、安定化するかもしれません。)

C1=C2、最高使用周波数より2割くらい上でカットオフになるLPFになるような値にします(およそXc=50オーム)。真ん中のCは、C1、C2の2倍の容量です。コイルは小さなコイル、小指の先くらいのものなので、適当に巻いて実験してみたらいいでしょう。

4CX1000AはCpgが大変小さいので、グリッド回路に低抵抗を入れてある場合は、HFでは中和は(この段にNFBを掛けるのでなければ)必ずしも必要ではないのですが、この特色を生かすためには、スクリーン回路の「スクリーン(遮蔽)グリッド」としての効果が十分となるよう、良好なRFバイパスが絶対必要になります。

ここを手抜きすると、この送信管は4CX1000本ノックに変身します。
ゲインが高く、2mでも使用可能なこの球は、LFからVHFまでの非常に広い周波数領域で簡単に自己発振を起こす危険性があると言えます。



Re: 続・Tetrode Amplifiers投稿者: 那須次郎 投稿日:2008/03/01(Sat) 14:21 No.1051  

>4CX1000A
スクリーン回路の「スクリーン(遮蔽)グリッド」としての効果が十分となるよう、良好なRFバイパスが絶対必要になります。

コリンズ30S‐1や208Uシリーズなど業務用パワーアンプで採用されている電源の基本構成を示します。スクリーンはソケット部分で直接シャーシにアースされています。

(先ほどまでNo.1047に長々と書いてあった記述を書き換えの間に誤って消しました。もしコピーされたかたがおいででしたら、このスクリーン電源およびスクリーンのネガティブ・カレントに関するくだり以下を掲載してください!)
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121 | 122 | 123 | 124 | 125 |

このプログラムは KENT 氏の yybbs を xoops(PHP) に移植したものです
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